戦いの始まり…
「どっか飯いこうぜ」
…私がこの一言さえ口にしなければ、この争いは起こらなかった。
そう。これは私と友人の鍋をめぐる争いの記録を記した食レポ記事である。
私と彼女は高校時代から縁のある古い友人だ。
かれこれ10年近くの付き合いだろうか?
彼女は歯に衣着せぬ物言いでよく人とぶつかるが、そんな真っ直ぐさも人を惹きつける。
私もそんな彼女のストレートさに惹かれ、卒業した今でもたまに飯に誘うのだ。
今回は皮肉にも、そんな魅力的な性格がThe War of 鍋を引き起こしてしまった。
The War of 鍋 ~序章~
「どっか飯いこうぜ」
私は電話越しに彼女を誘う。
「いいよ。どこいく?私お鍋が食べたい。」
(思ったことはすぐに口に出す性格は昔と全然変わらないな。)
「いいね。すき焼きとか、もつ鍋とか?」
「いやよ、変わった鍋がいいわ。俗にいうゲテモノ?みたいなの。」
(これは困った。私は美味しい普通の鍋が食べたい。)
「じゃあ….あの店にしよう。渋谷のゆるり屋。」
ゆるり屋
渋谷にある鍋専門店。四季を通して、50種類以上の鍋を楽しむことができる。
ヒルナンデスや帰れま10でも特集されたことがあるようだ。
たくさん種類があればきっと決めきれずに定番の鍋へと気持ちも流れるだろう。
とにかく私は美味い鍋が食べたい
「そうね、ゆるり屋さんなら変わったお鍋も食べられそうだもの。」
彼女からは二つ返事でOKが出た。ここからが私の勝負だ。
The War of 鍋 ~来店~
互いに忙しい日々を過ごし、約束の日を迎えた。
今日が戦いの日だ。私は美味い鍋が食いたい。
渋谷のハチ公前で彼女と合流し、マークシティを抜け道玄坂方面へ。
6~7分といったところだろうか?
しばらくマークシティの出口を抜けると、ゆるり屋の入っている建物を見つけた。
階段を登る途中に大きな看板を発見。異国情緒のフランス・イタリア鍋だと?
ここはジャパンだ。求む、和の心。
「わくわくしてきた」
わくわくしてくれるな。
▼そんなことを考えつつ、お店に到着。立派な門構えである。ここの定番鍋はさぞ美味かろう。
鍋天下一を語るお店に相応しい威厳を感じる。
店内に進んでも期待は裏切らない。ロマンを感じる店内だ。
未だ異国の情緒に取り憑かれている彼女を横目に、私は勝てると確信しつつあった。
そう、私は美味い鍋が食べたいのだ。
テーブルに到着。
「なに食べようか?」
彼女にメニューを手渡し、一度は主導権も渡す。
長年彼女を見てきたが、これが一番良い方法だと知っている。
The War of 鍋 ~鍋選び~
「やば、めっちゃ鍋ある」これには私も目を疑った。予想以上に変わり種も多い。
「ほんとだ。このあたりとかどう?」手始めに絶対に外さないであろう鍋たちをまず薦める。
さあ戦いの火蓋は切って落とされた。
「いやいや、こっちでしょ?」ああ〜、看板に影響されたのかな?
アクアパッツァ風の鍋とは面白い手だ。
(ちょっと気になるが…)
「海鮮がいいならこっちにしようぜ」やはり定番は裏切らないはず。それにくえ鍋など、滅多に食べられないぞ。
「わたしがゲテモノ食べたいって言ったの忘れたの?」
やばい、怒らせた。ゲテモノって言っちゃダメでしょう。変わり種です。
「いや…覚えてるけど…」
「地獄に落とすわよ」そんな細木数子風の発言と共に差し出されたメニューがこちら。
「なんだよ、ギャグかよ!笑」
本当に怒らせたのかと思い、冷や汗が出た。
彼女を怒らせると手がつけられないのだ。
定番とか変わり種とかどうでもよくなっている自分に気づく。
「もう好きなもの選んでいいよ。美味けりゃなんでもいいや(笑)」
そう、わたしは美味い鍋が食べたいだけなのだ。
もはや定番だろうが変わり種だろうが何でも良い。
「じゃこれで。」
!!?!??
アルプスのハイジ鍋…。一体なんだこれは?美味いのか….?
ただ、わたしも男。二言はない。
「店員さーん、アルプスのハイジ鍋2人前お願いします。」
The War of 鍋はこれにて終戦。ここからは腹を括って食事を楽しむのみである。
~お食事~
先の争いの中、店員さんが颯爽と飲み物を運んできてくれた。柚サワーとすだちサワー。実は二人とも柑橘系のサワー好き。
鍋が決まれば私たちの間に確執はない。あとは楽しい時間を過ごすのみだ。
だし巻き卵を注文。これがまた美味い。鍋専門店だからって一品料理も舐めてはいけない。
ほんのりとした甘さが口の中にじわっと広がる。
そして定番の鶏皮ポン酢。味もボリュームも申し分なし。つまみとして注文するにはかなり優秀。
また来るときにもお供していただこう。
お酒とつまみをいただきながら、高校時代の部活の話で盛り上がる。
うちのマネージャーは化粧のことを顔面工事と名付けていた、とかいったくだらない話だ。
談笑している最中、ついに奴がやってくる…
店員さん「お待たせいたしました。アルプスのハイジ鍋です。」
「白い!!!♡」「白い!?!!」
そう。白い。白い鍋がきた。
なぜ白いのか?
白ワインのスープと山盛りチーズ
これには驚き。見た目はもはやアルプスの草原というより、ロシアの大雪原だろう。
早速友人に取り分けてもらう。
すると何やら肉の塊を発見….骨つきの羊肉?!ここでまさかのアルプス感!!
お鍋に入れちゃったんですねハイジさん。お皿に盛り付けたらこんな感じ。どかーんと居座る圧倒的存在感。
ただ、肝心なのは味!
見た目だけインパクトあっても味が伴わなければ意味はない。
なにせわたしは美味しい鍋が食べたいのですから。
さて味の方は…
チーーズ&ほろほろ!!!
鍋と言うよりは若干クリームシューに近い印象もあるが、
この圧倒的チーズ感とお肉のほろほろさには、そこらの鍋やシチューでは逆立ちしても勝てないだろう。
ああ、これは一本取られたな。
定番鍋こそが正義だと思っていたわたしの常識は覆ってしまった….
そんなわたしを彼女は満足気な表情で見つめながら、
「今度は定番鍋、食べに行こうね」と囁くのだった。
こういうところが彼女の人を惹きつける魅力なんでしょうね。
総合感想
定番から変わり種まで、四季を問わずに50種類以上の鍋が楽しめるお鍋専門店のゆるり屋さんでした。
たくさんお鍋の種類のある店なので、「また違うの食べに来たいね」という話に落ち着くこと間違いなし。
次に繋げたい相手や長く関係を持ちたい人と来るにはとってもオススメのお店です。
ホームページ ▼ゆるり屋 渋谷道玄坂店のHPはコチラ▼
ゆるり屋 渋谷道玄坂店 – ゆるりや しぶやどうげんざかてん –
目的シーン デート、友人・知人・同僚、合コン、大人数の宴会、女子会、家族と、接待・上司、部下・後輩
アクセス JR 渋谷駅 徒歩5分
距離 神泉駅から200mぐらい
金額 5,000円〜5,999円
営業時間 [月~金] 11:30~14:30/18:00~23:00
[土・祝]17:00~23:00
定休日 日曜日
住所 東京都渋谷区円山町5-18 道玄坂スクエアビル 2F
電話番号 03-6415-1596
▼駅からのアクセス今回はハチ公からマークシティ内を抜け、道玄坂へ。出口を出て左手に少し進むと見えるビルの2階にあります。
- 酔っ払い易さ度: 80% ※ お鍋と一緒にお酒もすすむ!
- 店員なつき度: 60% ※ 大人な接客でした
- 愚痴り易さ度: 80% ※ ついつい語ってしまう雰囲気
- メニューの充実度: 100% ※ 2ヶ月違う鍋を食べ続けられます
- ドリンクの充実度: 70% ※ 焼酎からカクテルまで定番揃い
- お一人さま指数: 10% ※ ランチなら可!!
- モクモク指数: 30% ※ 個室じゃないと気になることも
- いた人のジャンル 20代の男女、OL、女子会、30代カップル
- 隣人との密着度: 80㎝ ※ 十分距離あります
- また行く度: 行く!!行く!!行く!!行く!!(行く!!は最大5個まで)
※研究会独自の指標の為酔っ払ったその場の感想でして…
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明智
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